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外装材と断熱材のあいだに通気層のあるものとないもの、断熱材の材質が繊維系か発泡系かにより分けられます。 外装材の違いによって、通気層のある外断熱を「乾式通気層工法」、通気層のない外断熱を「湿式密着工法」「乾式密着工法」と呼んでいます。
日本では乾式通気層工法で本格的な外断熱マンション建設がスタートしましたが、外断熱先進国のドイツでは通気層のない湿式外断熱工法(ドイツでの名称は「複合断熱システム」)が一般に普及しています。 湿式密着工法は「外断熱への改修に都合が良い」「コストがおさえられる」などのメリットがあります。
逆に考慮すべき点もあります。 同時打ち込みの場合は、外装面の水蒸気処理や断熱材の厚さの確保が必要であり、コンクリートの状態を確認できないことです。
しかし、二疋レベルで建てられたものであれば居住性能において十分に満足できる建物になります。 湿式の外断熱は、これから日本で外断熱が広まっていく過程で、通気層のある工法とともに欠かせない選択肢の一つとなっていかなければなりません。

ここではRC外断熱建物の工法として、通気層のある「乾式外断熱工法」と通気層のない「湿式外断熱工法」の概要と特徴を比較して紹介することにします。 「ナイスシティアリーナ亀戸」東京の亀戸に建てられたマンション「ナイスシティアリーナ亀戸」を例に、通気層のある乾式外断熱工法について解説します。
特徴1:::断熱材は繊維系断熱材(グラスウール、ロックウール)躯体コンクリートの外側に、グラスウ−ルやロックウールといった繊維系断熱材が支持金物により留められます。 細い繊維がからまった断熱材の内部の空気が高い断熱効果を生みます。
いま普通の内断熱のコンクリート建物では発泡系ウレタンをコンクリートの内側に吹きつけるやり方がほとんどですが、グラスウ−ルやロックウ−ルは発泡系ウレタンよりもコストがかからず、原料のリサイクルという意味でもメリットがあります。 また、燃えないことも、住まいの素材としては適しています。
特徴2・・・・・・躯体の外側に通気層がある乾式工法では、コンクリートの外側に断熱材が密着して止められ、その外側が通気層になっています。 これが乾式工法の最大の特徴であり、不可欠な条件になります。
コンクリートはセメントと水で出来ています。 完成したコンクリートには多くの水分が含まれており、その水分が完全に乾くまでには二。
年かかると言われています。 内断熱の建物で結露のクレームを言うと業者は「新しい建物だからコンクリートから水が出るんです」といいますが、実際には水蒸気として出るのであって水が出ることはありません。
内断熱では躯体コンクリートの温度が外気温に連動するため冬は冷たく、壁内は低温で湿度が高い状態になり、室内で発生したわずかな湿気でも結露につながるのです(外断熱でも初年度は室内の湿度が高くなるので換気をこまめに行うなどの注意が必要)。 通気層は、コンクリートから発生する水蒸気を速やかに外部に排出する作用と、外部から侵入した雨水を下に落とす作用があるわけです。

通気層のある乾式工法に使われている断熱材(グラスウ−ル・ロックウ−ル)は木造住宅で使われているロ−ル状の断熱材ではなく、接水作用を持たせたマット(板)状の断熱材なので、通気層から侵入した雨に濡れても安心です。 通気層のある乾式外断熱工法では、断熱材を躯体の外側で留める金物を使用し、外装を躯体と離してしっかりと支えなければなりません。
このため、材料としても工法の手聞においても、次に紹介する湿式工法に比べてコスト高になります。 ドイツで湿式工法の外断熱が一般的なのも、コスト面で有利であることが大きな理由の一つでしょう。
しかし、レンガや石などテクスチャ−の優れた材料を使用できることから、高級感、材質感を持つことが出来ます。 これはドイツ発祥の、いわば「普及型外断熱工法」として欧米では以前から普及していたものです。
当初、アメリカのドライピットシステムズ社から日本に導入され、最近は、ドイツのシュト−社からも、新しい湿式外断熱工法が入ってきています。 茨城県に完成した、シュト−杜の湿式外断熱工法の建物を参考に、湿式外断熱工法とはどういうものかを説明します。
同じ外断熱ですから、室内側に躯体のコンクリ−トがくることは変わりません。 湿式では、このコンクリートの外側をおおう断熱材が変わります。
通気層のある外断熱ではグラスウ−ルやロックウ−ルといった鉱物系の断熱材が使われますが、湿式外断熱ではEPS断熱材と呼ばれる発泡スチロールを使います(ドイツでは高密度ロックウールも使われています)。 これをコンクリート躯体の外側に、特殊な接着モルタルで貼り付けます。
通気層のある外断熱工法が「建物に綿入りコIトを着せるようなもの」だとすると、湿式外断熱工法は「建物全体を発泡スチロールの箱で梱包してしまうようなもの」です。 発泡スチロールというと湿気を通さないのではないかと思われるかもしれませんが、このEPS断熱材は水を通さないが水蒸気を通す性質があります。
耐久性としても、初期性能が四。 年ほど維持されるといわれているので、性能としてとくに大きく変わるわけではありません。
乾式工法と湿式工法の最も大きな違いは、この断熱材の外側の構造にあります。 乾式工法では断熱材の外側に空気の流れる空間(通気層)を設けましたが、湿式では必要ありません。

躯体のコンクリートからの水蒸気は、EPS断熱材、さらにその外側の仕上げさえ通過して外へ逃げていくように工夫されているからです。 EPS断熱材の外側には、強度を確保するためにグラスファイバーでできた特殊なメッシュが付けられ、その上から接着樹脂モルタルの下地材(ベ−スコ−ト)が、網に埋め込むように塗られます。
そしてその上に、最後の仕上げ塗装(フィニッシュコ−ト)が行われています。 仕上げ面が断熱材に密着していても、湿気が外へ逃げるのは、こうした断熱材や塗料が水蒸気を通すからです。
しかも仕上げに使われる塗料は雨などの水分は通さないので、内部が濡れるようなこともありません。 メリットの第一としてあげられるのは、外断熱にすることで上昇するといわれるコストを抑えられることです。
通気層を設けないシンプルな工法なので、工期も短くなります。 工法がシンプルであるということは、既存のビルを外断熱に改修するときにも都合がよいというメリットにも結びつきます。
結露やカビでどうしょうもなかったコンクリートの建物が、居住者が住んだまま行えるような比較的簡単な工事で、湿式外断熱の快適な建物に生まれ変わります。 また、自由なデザイン性もメリットとしてあげられるでしょう。
EPS断熱材はカッターで簡単に切断でき、自由な形に加工できるからです。 一方で考慮すべき点としては、比較的簡単な工事であるだけに、設計から施工の最後までを統括して責任を持つ立場が必要になる、ということです。

万が一、水蒸気が外に逃げないような建て方をしてしまうと、逆に大きな問題となります。 施工技術だけを考えれば日本は世界のトップクラスにありますが、湿式外断熱や水蒸気などの知識は、それとは別に必要です。
次に、建物の断熱材について考えてみます。

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